昨今、セクハラ問題が表面化されて社会的な認知も広まってきました。
世界的な「#Me Too」運動から始まり、日本の偉い人もこぞって追い込まれているセクハラは、他人事ではありません。
今こそ知っておくべき、「そんなつもりじゃ…」では済まされない、セクハラジャッジの最新情報をお伝えします。
もくじ
そもそもセクハラって何?
セクハラについて、定義を詳しく説明できますか?
セクハラとは、ニュースなんかだと「性的嫌がらせ」と解釈されていますが、じゃあ性的嫌がらせって何なんでしょうね?
相手に直接触ったりする痴漢行為はもちろんセクハラですが、会話の中、そう言葉だって十分セクハラになってしまうこと、ご存知でしたか?
あなたが何気ない挨拶のつもりでかけた言葉でも、相手が性的に侮辱されたととらえたらそれは十分セクハラになるのです。
まして、社会的にあなたの方が上の立場であれば、セクハラと同時にパワハラ(パワーハラスメント)にもなりかねません。
日本における女性の社会進出の歴史は浅いですが、その中で作られた「男女雇用機会均等法」の中に、次のような条文があります。
「事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」
(男女雇用機会均等法第11条)
一見難しいようですが、これってストレートに「セクハラはいけませんよ」って言ってるの、わかりましたか?
しかも、個人の責でなく、会社全体の責任となるほどの、大問題なんです。
ところで、あなたの日頃の言動、行動は大丈夫でしょうか・・・
世界的問題【セクハラ】#MeToo運動とは・・・
#Me Too運動は、アメリカ・ハリウッドから世界的に広まった、女性のセクハラ告発運動です。
ハリウッド映画のプロデューサーという絶対的地位のあるハーヴェイ・ワインスタイン氏が、女優のアリッサ・ミラノ氏に対してセクハラ行為があったことがツイッターで拡散されたことにより、多くの女性たちが次々と声をあげ始めたのが発端です。
力のある男性が、立場の弱い女性に対して性的行為を強要したり、性的なニュアンスを伴う言動をすることは、立派な犯罪行為なのです。
あなたのその発言、大丈夫?5つの質問でわかるセクハラチェック!!
あなたは、「セクハラなんてするわけないし、俺ほど安全な男はいない」と思ってるかもしれませんが、本当に大丈夫かどうか、5個の質問でチェックしてみましょう。
Q.1.若い女性や一般職の女性が雑用をこなすのは当然だ。
A.×→新入社員や雑務を主とした業務というなら別ですが、「女性」というだけでそのように考えるのは時代錯誤です。
Q.2.妻や交際相手ではない女性に対して、服装やメイクのチェックが細かい
A.×→それをしたところで、あなたと相手にそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。
冗談が通じ合う中でない限り、相手に少しでも不快感を与える性別を理由とした発言を繰り返せばそれはセクハラになります。
Q.3.女性が同席する場で卑猥な話をしたり、Hな写真・動画を観ることがある。
A.×→いうまでもなく、セクハラ行為です。
Q.4.既婚女性に「子供はまだなの」「二人目はいつ?」などと声をかける。
A.×→子供に関わる発言は、今や実親や義親でもタブーです。
さらに、夜の生活についてのニュアンスを含めたなら完全にアウトです。
Q.5.「よろしくね」や「お疲れ」のあいさつとともに、肩をさわったり手に触れたりする。
A.×→親密でない仲の女性へのボディタッチは、セクハラ認定されます。
もしかしたら、知らぬうちにやってきたこともあるかと思います。
日本の男尊女卑の歴史は長く、女性の社会進出だってつい最近のことです。
シニアの皆さんが新入社員だったころは当然だった、「一般職」と「総合職」という女性のくくり、現在はもはや化石化していること、ご存知でしたでしょうか。
仕事の上での男女差別、また、交際関係にもない女性に対して異性を意識した発言をすることは、それだけでセクハラになります。
正直、「めんどくせー」と感じた諸兄もおられるかとは思いますが、その考えこそセクハラですからね、お気をつけて!!
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知らぬ間にセクハラ加害者!?になってしまった3名の体験談
これからご紹介する3名のセクハラにまつわる体験談は、皆さん意図してやったものではないことを最初にお伝えします。
昭和のバブル期、イケイケ世代では当然だった振る舞いを、今も同じ感覚でやってしまった末路は、こうなります。
忠司さん(66歳 元公務員)
接待の多い部署で、しかも取引先は工事関係や建設系がメインでしたので、女性職員の存在は貴重でした。
接待の場では、女性はお客さんの隣に座って、お酌やカラオケデュエットは当たり前でしたね。
我々男性はもちろん、女性職員も暗黙の了解だと思っていました。
でも、私が退職する前年に配属された新入職員の女性が、取引先の扱いに我慢できなくなり、訴訟を起こすと騒ぎ出したのです。
私含め管理職もセクハラなんて意識はなかったし、酒の席でのことなので女性側も理解してくれているものと思っていたので、正直面倒だなと思いました。
しかし私の認識が甘かったのか、女性の方が有利に事が運んでいき、結果私は定年まであと1年というところで、長年勤めた所属長から民間系列に派遣されてしまいました。
セクハラという言葉を実感したのはその事件からです。
今もニュースでセクハラによって立場を失っているお偉いさんをみるたび、アドバイスしたい気持ちでいっぱいになります。
石原さん(51歳 無職)
セクハラ解雇されました。
当時、直属の部下に優秀な独身の女性がついてくれ、彼女が優秀だったおかげで、私もそのころの業績はうなぎのぼりで自他ともに認めるパートナーでした。
残業の後は一緒に夕飯を食べたり、一緒に泊まりの出張もこなしたりしていたので、私としては親密でいい関係を築けていると思っていました。
そんな彼女から、「あなたのせいで会社を辞める」と切り出されたときはショックでしたね。
なんでも、仕事を円滑にするためにこれまで黙っていたが、我慢できなくなってしまったことが、積もり積もって爆発してしまったようなのです。
「シャンプ―替えた?僕は前の方が好みだったけど」「彼氏まだできないの?」「最近肌にツヤがあるね、女性ホルモンがバンバン出てるんじゃない?」「(独り言で)クリスマス暇だな~」
私のこうした何気ない言葉の数々が、彼女を追い詰めていたということでした。
彼女は私に告げる前に人事課に相談しており、私は自主退職という形で実質の解雇となりました。
彼女はまだ、その会社で働いており、噂では人事課の教育担当係長として活躍しているそうです。
武治さん(59歳 英語塾経営)
アメリカ生活が長かったので、ハグやボディタッチは当たり前と思ってきました。
当時私は30代で、個人経営の予備校の講師をしていましたが、教え子にも点数がよければハグ、タッチなど普通にスキンシップをとって励ますという教育方法がウリでした。
ところがある生徒の親から苦情が入ったことで、その塾をクビになってしまったのです。
セクハラというのは、性的なニュアンスをもってはじめて成立するものだと思っていたので、まさか私が当事者になるとは思ってもみなかったことです。
セクハラの定義って、難しいですね。
本人には「そのつもりがなかった」としても、相手がセクハラ行為だと認識すれば、それは立派なセクハラです。
中高年、シニア世代に多いのが、自覚のないうっかり加害者になってしまうというものです。
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うっかり加害者にならないためにも、これからの生活に役立つ「シャイニア特製:セクハラ回避マニュアル」を後悔しますので、ぜひお役立てください。
セクハラ回避マニュアル3つの鉄則
当サイト【シャイニア】オリジナルの、セクハラ回避マニュアル3か条を公開します。
まずは読んでいただくのが手っ取り早いですので、ハイどうぞ!1
1.パーソナルスペースを保つ
パーソナルスペースというのは、自分と他者を隔てる距離のことで、関係性が近いほど狭く、遠いほど広くなります。
妻や恋人でない異性との適切な距離は、最低でも1.2mということです。
異性に声をかける時の距離を意識することこそ、ジェントルマンのたしなみです。
2.プライベートを詮索しない
無意識セクハラ加害者のほとんどは、仕事上や社会的な関係の延長にある親しさの表現として(勘違いなのですが)セクハラ行為をしてしまいがちです。
プライベートの詮索もその一つで、「昨日の夜は何してたの?」「週末はデート?」などの軽口も、セクハラとなりますのでご注意を。
3.下ネタを控える
男性同士の集まりでは当たり前の猥談も、そこに1人でも女性がいれば控えましょう。
スポーツ紙のエロ面を電車で見たり、週刊誌のグラビアをデスクにガバっと広げたりするのもセクハラですよっ。
この3つ、難しいでしょうか。
いえ、難しいことなんて一つもないですよね?
この、たった3つの難しくないことを心がけるだけで、あなたの人生が100になるか0で終わるかが決まってしまうのですよ。
わかりやすく例えればリスクマネジメントです。
仕事で日々散々考えていることではないでしょうか。
セクハラに対しても同じような意識をもって、過ごすことが大切です。
まとめ
ストーカーがコミュニケーション力に乏しい人が加害者になりやすいという特性があるのに対し、セクハラはコミュニケーション力にたけた人にも多いハラスメントです。
どんなに社会的地位が高くても、セクハラ一発でその地位が失われること、毎日のニュースを見れば明らかですよね。
セクハラ対策というわけではないですが、人とのコミュニケ―ションにおいて、相手を尊重することこそ最も大切な意識であるといえるのではないでしょうか。