昭和30年代後半から50年代にかけて、ハネムーンといえば宮崎県というくらい、宮崎は新婚旅行の定番でした。
あれから約40年、今度は還暦旅行で宮崎を訪ねてみませんか?
当時の思い出を振り返りながら、あらためて夫婦の絆を深めてみるのも良いかもしれません。
昭和30年代の新婚旅行地「宮崎ブーム」について
昭和30~50年代頃、宮崎県では新婚旅行ブームが起こっていました。
最もピークの昭和49年には、宮崎市内に宿泊した新婚カップルは約37万組、なんと全国で結婚したカップルの約35%をも占めていたそうです。
宮崎がブームになった背景には、いくつかの説があるようです。
熱海以上海外未満の「南国」
1960年70年代は、海外旅行はまだ庶民のものではありませんでした。
宮崎以前の新婚旅行といえば、みんな熱海に行っていた時代です。
ところが高度経済成長により、「より遠くへ」という新婚カップルが増えたことで、宮崎が注目されたというのです。
当時、東京から宮崎まではブルートレインでつながっており、アクセスの利便性もよかったそうです。
また、航空便の発達とともに「新婚旅行で飛行機に乗る」ことも、ステイタスになっていたということです。
観光地化するプロデュース力
南国のイメージを定着させるため、宮崎交通をはじめ地元が一体となって観光地化を進めたことも、宮崎県への憧れを募らせる要素だったようです。
こどものくにやサボテン園なども昭和の初めに作られました。
皇室が新婚旅行先に選んだこと
昭和35年、昭和天皇の第五皇女島津貴子さんと、久永氏が結婚した時、新婚旅行先として宮崎を訪れたのが、ブームの一旦であるともいわれています。
宮崎の地鶏が現在これほどの知名度を誇るのは、当時お二人が地鶏店に立ち寄ったと報道されたことがきっかけという説もあるようです。
昭和37年には皇太子ご夫婦も宮崎を訪れ、青島・日南海岸周辺はプリンセスラインとよばれるようになりました。
NHK朝ドラ『たまゆら』の舞台
昭和40年、宮崎を舞台としたNHKの連続テレビ小説『たまゆら』が放送されたことも、宮崎ブームにさらに火をつけました。
最高視聴率は44.7%を記録するほどの大人気だったそうです。
このように、いくつかの要素が重なって、空前の宮崎ブームにつながったのだと考えられます。
今なお残る、ヤシの木が立ち並んだ日南フェニックスロードを、ラジオから流れる『フェニックスハネムーン』を聴きながら走ったご夫婦も多いのではないでしょうか。
当時の人気観光スポット
宮崎ブームの頃、人気だった観光スポットを思い出してみたいと思います。
日南海岸ロードパーク
宮崎市、日南市、南郷町、串間市の3市1町にまたがる日南海岸に広がるのが、日南海岸ロードパークです。
フェニックス(ヤシの木)が立ち並び、南国情緒あふれる一帯です。
宮崎神宮
神武天皇が祀られている宮崎神宮は、野鳥のたくさん住む森に囲まれた静かなスポットです。
博物館や美術館なども隣接していて、散策を楽しむことができます。
青島
周囲1.5kmの青島は、「鬼の洗濯岩」と呼ばれる奇岩に囲まれた小さな島です。
青島海水浴場とは弥生橋でつながっています。
島内にある青島神社は、縁結びの神様として有名なスポットです。
萩の茶屋
小林市の国道268号線沿いにある萩の茶屋は、春には2千本の八重桜と3万本のつつじが、秋には400万本の彼岸花が咲き誇る絶景スポットです。
アジサイやネムの花など、季節によってさまざまな花が楽しめます。
えびの高原
えびの市の南に広がるえびの高原は、我が国最初の国立公園に指定された霧島屋久国立公園の北部に位置する、標高1200mの高原です。
赤松の自然林やミヤマキリシマ、世界中でここだけに自生する天然記念物のノカイドウなど四季折々の野生植物を鑑賞することができます。
当時、新婚旅行で訪れた懐かしの場所は、今も変わらず美しさを保ちながら残されています。
昔の写真を見ながら、当時と今の風景の違いなどを見つけて歩くのも楽しいかと思います。
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現在の人気観光スポット
当時の宮崎になかった、比較的新しい観光スポットを紹介します。
フェニックス・シーガイア・リゾート
太平洋沿い南北約11キロ、約700ヘクタールの黒松林に囲まれた自然の中に広がるフェニックス・シーガイア・リゾートは、宿泊の他さまざまなアクティビティが楽しめる総合リゾートです。
4つのホテル、温泉、ゴルフコース、テニスクラブやスポーツ施設などが充実しているので、ここだけで十分満喫できます。
フローランテ宮崎
花と緑に囲まれた植物公園です。
チューリップやペチュニアが咲き乱れる『春のフローラル祭り』、夏のランタン灯る『フローランテの夕涼み』、サルビアがメインの『秋のガーデン』、冬は『イルミネーション』と、季節を通して様々なイベントが開催されます。
道の駅フェニックス
宮崎市内の、海辺にある道の駅です。
地元のお土産や特産品などが手に入るのはもちろん、2階の展望レストランでの食事は日南海岸随一の眺望です。
こちらに紹介した観光スポットは、ほんの一部です。
宮崎県にはまだまだたくさんの見どころが満載なので、ゆっくり時間をかけて回りたいですね。
じゃらんなどの旅行サイトを見れば、見どころやオススメがわかりますよ。
https://www.jalan.net/kankou/450000/
まとめ
宮崎といえば、地鶏やマンゴーなど食べ物の特産品もたくさんあります。
還暦旅行は、新婚旅行と違って初々しさこそありませんが、その分当時より共通の話題がたくさん増えているはずです。
これまで連れ添ってきた数十年を振り返りながら、新婚当時にタイムスリップした気持ちで2人の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。