70代の運転免許について、更新や有効期限、高齢者講習など特別なことがあるのかどうか調べてみました。
当事者はもちろん、親や祖父母のために必要な知識としてお役立てください。
70歳で何が違う?高齢者が運転免許を持つということ
運転免許において、69歳と70歳とでは、どんなことが変わってくるのか知っていますか?
70歳から75歳の間で運転免許を更新する場合には、必ず『高齢者講習』を受講しなければいけません。
さらに、75歳以上になると高齢者講習と併せて『認知機能検査』も受ける必要があります。
昨今の高齢者による車の運転事故の増加で、高齢ドライバーの免許更新事情は厳しくなってきているのが現状です。
高齢者の免許有効期限
70歳以上の高齢者の免許の有効期限についてです。
70歳で違反など特にない場合、有効期限は4年間です。
71歳以上では、3年間となります。
高齢者講習とは
高齢者講習の内容です。
高齢者講習は、70歳以上の運転免許保持者が、免許を更新するときに受けなければならない講習です。
試験ではないので、講習を受ければ必ず高齢者講習終了証明書が交付されます。
高齢者講習終了証明書は、免許の更新時に改めて必要となる書類です。
高齢者講習の流れや内容・費用はいくら?
高齢者講習にかかる時間は、座学と運転適性検査で約2時間、講習手数料は4650円です。
内容は主に3つ、「DVDなどで交通ルールや安全運転の知識を再確認」「機材を使った動体視力や夜間視力、視野の測定」「ドライブレコーダーなどで実際に運転して自分の運転を客観視する」などが行われます。
高齢者講習を受けるには、必ず予約が必要です。
講習は、免許センターか、都道府県が提携している教習所で受けることができます。
期限は、免許更新期間満了日(誕生日の1か月後)から起算して半年前から、更新期間満了日までの間です。
講習通知書がはがきで届くので、詳しくは案内を参考にしてください。
講習日には、講習通知書と運転免許証、手数料と筆記用具を持参します。
2時間の講習終了後に発行される高齢者講習終了証明書は、この後の更新手続きに必要な書類となります。
高齢者講習と更新手続きは別です。
免許の更新には、別途郵送される更新はがきと、手数料2500円がかかります。
その他高齢者向け運転講習の種類
高齢者講習以外に実施されている、高齢者向けの講習を紹介します。
どの講習も、70歳以上で免許更新を迎える人が対象となります。
シニア運転者講習
シニア運転者講習とは、住民票がある都道府県以外で受講できる講習で、高齢者講習と内容はほぼ同等です。
座学・適性検査が60分と実車講習が60分、所要時間は約2時間です。
チャレンジ講習
チャレンジ講習は、高齢者講習に替えて受講することができるものです。
教習所内のコースを実際に約15分間運転し、加齢に伴って生じる身体機能の低下が運転に著しい影響を及ぼしていないかどうかについての確認試験を受けるもので、70点以上で合格となります。
合格者は併せて1時間の簡易講習(特定任意高齢者講習)を受講することで、高齢者講習に替えることができます。
簡易講習の内容は、安全運転に関する講義や運転適性検査です。
チャレンジ講習に1回で合格した場合の手数料は簡易講習と合わせて4150円となり、高齢者講習より安くなるというメリットがあります。
不合格となった場合は、再度チャレンジ講習を受けるか、または高齢者講習を受けることとなります。
チャレンジ講習の手数料は2650円、簡易講習の手数料は1500円です。
運転免許取得者教育
運転技術の向上を目的とし、教習所で実施される講習です。
運転適性検査や運転技能の見極め、基本走行(車両点検、運転方法の基本など)や危険予測等などを行います。
費用や時間などは教習所によって異なりますが、一般的に座学。適性検査が60分以上、実車が60分以上となっています。
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75歳からの運転免許更新
70歳以上から高齢者講習が必要なことがわかりましたが、75歳からはさらに認知機能検査が加わります。
認知機能検査は、記憶力や判断力を判定するもので、場合によっては医師の診断書の提出が必要となったり、免許が停止になることもあります。
認知機能検査にかかる時間は約30分、費用は650円です。
検査の結果によりその後の流れが3種類にわかれ、とくに問題がなければ通常の高齢者講習から免許更新という流れになります。
認知機能にやや低下の恐れがあると判断された場合、高齢者講習は通常より長い3時間となり、費用は7550円となります。
認知症の恐れがあるような場合は、医師の診断書の提出や臨時適性検査が必要です。
ここで認知症と診断されたら、免許は停止または取り消しとなります。
認知症でない場合には、3時間の高齢者講習を受けます。
70歳からの運転で気をつけたいこと
70歳からの運転で気をつけたいことを考えてみました。
まず、何事もそうですが過信は禁物です。
自分では若い頃と変わりないと思っていても、加齢とともに誰しも身体機能は衰えていくものです。
とっさの判断力だったり、瞬発力だったり、または視力や視野も若い頃と同じというわけにはいきません。
また、70歳以上のドライバーは高齢者マークの表示が努力義務となっています。
自分のためだけではなく、周りの安全のためにも自分が高齢ドライバーであることを自覚し、安全運転に努めるようにしましょう。
まとめ
現代の自動車の性能はますます上がり、自動運転技術や自動ブレーキなどのセーフティ機能も充実しているので、高齢者にとっても車の運転は身近なものとなっています。
交通事故を未然に防ぐためにも、ひとりひとりが自覚をもっていつまでも安全に運転できる社会を作っていきたいですね。