50代の理想の睡眠時間から、不眠についてなど、睡眠に関する悩みの原因と対策を紹介します。
睡眠に関する悩みは、50代から増え始めるといわれています。
あなたの睡眠は大丈夫ですか?
50代の睡眠時間「理想と現実」
50代の睡眠時間の理想と現実についてです。
厚生労働省の『国民栄養調査』(平成28年)によると、睡眠が十分にとれていない50代は約26%で、60代と比べると約1.8倍にもなります。
また、平成27年の調査では各年代の平均睡眠時間のデータがありますが、50代では男女ともに「5時間以上6時間未満」と答えた割合が多かったようです。
20~70代以上の調査対象全体だと、「6時間以上7時間未満」が一番多いことを考えると、やはり50代では全体的に睡眠時間が不足している傾向があるといえるでしょう。
そこで知りたいのが、理想の睡眠時間です。
睡眠評価研究機構代表で医学博士の白川修一郎氏によれば、最適な睡眠時間は7時間とのことです。
そしてなるべく、寝る時間と起きる時間を一定にして、規則正しい睡眠習慣を送ることが大切だといいます。
加齢で眠れなくなるのはなぜ?
若い頃より寝つきが悪くなったり、途中で何度も目が覚めてしまうことが増えてきたなと感じること、ありませんか?
加齢とともに睡眠に不満を抱える原因には、次のようなものがあります。
深い眠りの減少
睡眠は、深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠の繰り返しです。
ノンレム睡眠の時、脳は熟睡しています。
ノンレム睡眠の時間は、年をとるほどだんだん減っていくといわれています。
代わりに浅い眠りのレム睡眠が増えますが、レム睡眠の時は脳は起きている状態なので、光や音など少しの刺激で目が覚めてしまいます。
そのため、夜中に突然目が覚めたり、朝早くから起きてしまったりすることが増えるのです。
夜間頻尿
夜中に尿意で目が覚めてしまう夜間頻尿は、40歳以上の男女で約4500万人もの人が抱える悩みです。
水分の摂り過ぎや精神的なものが原因である場合や、膀胱の問題、また、別の病気が関係していることもあります。
体内時計の乱れ
私たちの体には、朝日が昇ってから夜日が落ちるまで、自然のリズムに合わせた体内時計が備わっています。
体内時計は、睡眠をはじめ血圧や体温など、私たちの生命活動をコントロールしています。
ところが、不規則な生活で自然に逆らったパターンで生活していると、体内時計に乱れが生じます。
すると夜眠れなくなりますが、朝は起きて仕事に行かなければならないので、慢性的な睡眠不足となってしまうのです。
女性ホルモンのバランス
女性に睡眠障害を訴える人が多いのは、睡眠と女性ホルモンの関係にあります。
生理前のPMS症状や妊娠中、また更年期など女性ホルモンが変動すると、眠れなくなったり、逆に強い眠気が持続したりと睡眠障害の症状があらわれることがあります。
50代女性の多くは更年期にさしかかっているため、不眠の悩みを抱えやすいと考えられます。
このように、50代では多くの人が睡眠に何らかの問題を抱えているということがわかりました。
そこで、理想の睡眠を手に入れるために、どのようなことを改善していったらいいのかを紹介します。
スポンサーリンク
理想の睡眠のための快眠法
ここでは、すぐに始められる快適な睡眠のための方法を紹介します。
まず、基本的な生活習慣を整えることが大切です。
ここでいう、基本的な生活習慣とは、
- 決まった時間に寝て起きる
- なるべく同じ時間に食事をする
- 日中体を動かす
どれも、子供が小さかった頃に言い聞かせてきたことばかりですね。
子供にこのように教えてきたのはなぜですか?
規則的な生活が健康につながるからだと、私たちも頭では理解しているのです。
満足のいく睡眠がとれていない状態というのは、とても健康的とはいえません。
今こそ健康的な基本の生活習慣を見直して、よく眠れる体をつくりましょう。
もっと快適に!ぐっすり眠るためのワンポイントアドバイス
規則正しい生活習慣にプラスして、より良い睡眠を得るためのワンポイントアドバイスです。
寝る1~1時間半前にぬるめのお湯に入浴
体が眠りにつく時、体温はだんだん下がっていきます。
寝る少し前にぬるめのお風呂に入ると、体のリラックスに働く副交感神経が優位になるので寝付きやすくなります。
照明を暗くする
明るすぎる蛍光灯は刺激となるので、照明の明るさを落として睡眠に備えましょう。
ハーブティーやアロマでリラックス
寝る前にハーブティーやアロマで気分を落ち着かせるのも効果的です。
ハーブティーもアロマも、リラックス効果の高いカモミールやラベンダーがおすすめです。
眠る前は高ぶった神経を落ち着かせて、心も体もお休みモードに切り替えることが大切です。
自分がリラックスできる方法を見つけて、スムーズに眠りにつけるようになりたいですね。
質の良い睡眠のためにこれはNG!寝る前にやってはいけないこと
せっかくいろいろな快眠法を実践しても、これからあげるようなことをしてしまっては意味がないので注意してください。
寝る前に熱いお風呂に入る
寝る前に熱いお湯に入ると、交感神経が刺激されて体を目覚めさせてしまいます。
コーヒーなどカフェインの入った飲み物を飲む
カフェインには覚醒作用があるので、寝付きにくくなってしまいます。
アルコールで寝酒をする
アルコールを飲むと一瞬眠くなりますが、眠りが浅くなってしまうため熟睡できません。
逆に深酒は、寝ている時に突然呼吸の止まる睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性があり危険です。
また、アルコールには利尿作用があるので、夜中にトイレに起きる原因にもなります。
テレビやスマホの画面を見る
テレビやスマホのブルーライトは、体内時計を乱れさせ、寝つきが悪くなる原因になるといわれています。
このようなNG習慣に気を付けて、準備を整えて眠りについてください。
まとめ
年をとると睡眠に満足感を得られなくなるのには、理由があることがわかりました。
生活習慣やちょっとした工夫で改善できることもあるので、今一度自分の睡眠を見直してみましょう。